イタリア:新型コロナウイルス拡大-変化する消費動向

新型コロナウイルス感染症拡大で、3月からもう1か月以上外出制限が続くイタリア。その後、欧州の複数国でも感染が深刻になり、ヨーロッパでは消費者の消費傾向や食習慣に大きな変化をもたらしている。

欧州各国では、罰則を伴う厳しい外出制限や営業制限が長期化しており、家庭での備蓄用の食材の需要が大きくなり、小麦粉や、パスタ、米、缶詰などの保存食、そして果物、野菜の小売りの売り上げが増加している。

しかし、一方では飲食業や観光施設の閉鎖でHORECAビジネス(ホテル・レストラン・カフェなどの)、高級肉、ワイン、希少なチーズなどの高価格帯製品の市場は一気に縮小中だ。

大きな影響を受けている商品についてひとつ、例を挙げるとすると、イタリアではロックダウンの開始直後から、家で料理をしてパスタやパン、菓子を作ることがブームになり、3月下旬に小麦粉の家庭内消費が80%増を記録した。しかし、小麦粉類の市場全体における家庭消費はほんの5%に過ぎないといい、ロックダウンによる小麦製品の市場は昨年3月と比較すると25%縮小しているという。

イタリア最大の生産者団体の一つであるイタリア農業連盟(CIA)のセコンド・スカナヴィーノ会長によると、同連盟に加盟する農家の多くが、ワインやオリーブ油、チーズやパスタなど様々な農産加工品も手掛けており、市場の急激な変化への対応を強いられているという。

生産者は目下、衛生管理に細心の注意を払いながら、人々へ食料を届けることに尽力しているというが、イタリアの食材やワインなどの貿易パートナーである日本において、緊急事態宣言後の外食の自粛などで飲食業界が窮地に立たされていることを心配している。会長は、「日本のイタリアンのレベルは非常に高いと評価されている」、と言い、「経済の停滞により、これまで日本にイタリアの食文化を広げてくれていた専門店が、コロナウイルスの鎮静化後まで持ちこたえられるよう、直接の行き来ができない今、オンラインの情報ツールなどを活用し、イタリアの生産者とともに、日本のイタリアン業界のアフター・コロナのために協力体制を整えたい。」と話す。

(R.D.)